Winter Time Ebner
初めて見るそのアンティーク本に惹かれたのはつい最近のことだ。
海外のオークションサイトでである。
1920年に出版されたイタリア語の童話の絵本のようだ。
挿絵はPauli Ebner、状態も良く絵柄も魅力的だった。
これらは一部の頁だが、紹介されていたすべての挿絵が興味深く、色もたいへん鮮やかに残っていた。
最初は安価であったので希望を込めて入札したのだが、終了間際、私の予算以上に価格が上がり、諦めたのだった。
その時に、代わりにこちらでもと超安値だったこのポストカードに入札してしまった。
結局、入札者が私一人だったのには驚いたが。
Ebnerの人気の絵柄の一つで、私はこのシリーズのおそらく全種類の復刻版ポストカードを持っているが、アンティークは初めてである。
やはり、アンティークのポストカードは独特な魅力を湛えている。
手元に届いたのは書き込みも投函もされていない、状態のいいものである。
絵の下の言語はあまり目にしたことがなかったので、調べてみるとハンガリー語のクリスマスの挨拶語のようだ。
絵柄はよく出回っているものだが、ハンガリー語のEbnerのポストカードは珍しいのではないだろうか。
そのすぐ後に、一年程前に見つけて以来欲しいと思っていたこのポストカードを購入した。
こちらはオークションではなくネットショップである。
Ebnerの珍しい絵柄のアンティークポストカードとしてはたいへんリーズナブルな価格だった。
これで、Ebnerの描く美しいsnowmanのアンティークポストカードは、嬉しいことに2枚になった。
私の知る限りでは、snowmanの絵柄は若年期に描かれたものを除くと4種類ある。
そのすべてが、雪原に集う子供たちと擬人化されたsnowmanの図である。
こちらのフランス語の新年の挨拶の文字も、一枚目のハンガリー語の文字も当時は金彩が美しかったであろうことが窺われる。
今はわずかにその輝きの名残をとどめ、歳月の重みが濃い飴色の文字を鈍く輝やかせているだけである。