Vogue Patterns Nostalgia

以前、古い雑誌をオンラインで海外から購入した。

  

Vogue Patterns 1975年夏号、イギリスの出版である。

当時の値段は米国ドル1ドル、日本円で298円前後の頃である。

 

40年以上前の出版物なので表紙も中身も退色は進んでしまっているが、頁をめくることなく保管されていたかのような状態の良い物だ。 

 

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真夏の太陽の女神現る、といったようなインパクトのある表紙。

 

後で知ったのだが、モデルはアメリカ人のジェリー・ホールという方。

この約1年半後には、40冊の雑誌の表紙を飾るスーパーモデルに登りつめるそのキャリアが始まった頃の写真である。 

そして、あのイギリスのロックバンド ローリングストーンズのボーカル、ミック・ジャガーのパートナーとなり、後に結婚。

近年は、メディア王と言われる実業家マードック氏と再婚し世間をアッと驚かせたようである。

 

 

目次のある見開きの左頁はイギリスの大手縫製糸メーカーのミシン糸の広告。

洒落たシチュエーションの広告だ。

この化繊の生地用の糸で貴女も(既製服のように見える出来の良い)手作り服を作りましょう、街角のジェントルマンが思わず挨拶してしまうようなレディになりますよ。

と、いう感じかな? (^^)

 

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巻頭大特集はインドの旅。

 

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背景、衣装、演出そして女性二人、男性一人のモデルの方達の素晴らしいこと!

撮影は高名なアメリカ人写真家スティーブ・ホーン氏という方だそうだが、モデル達の表情やポーズが美しく説得力があり、また同時にナチュラルな印象も受けるのである。 

 

 

黄色の衣装は表紙になったもの。

 

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この他に、撮影はインドではないかもしれないがピンクのビキニ着用の海辺の写真も掲載されている。

 

ここでは女性モデルを引き立てたりエスコートする役の男性モデルだけれど、存在感がありエレガントだ。

  

 

下の5枚の写真はすべてジェリー・ホールさん。

この時、まだ19歳の誕生日前の18歳!(@_@)

 

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10代で、一流カメラマンの前で、もうこんなパーソナリティが出せるのは持って生まれた才能かな?

 

 

優雅なレースやシアーファブリックのトップスがいくつか。

 

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同じ二人のモデルで。

 

 

大特集が終わり、トップデザイナー達の作品へと続く。

 

右の写真のノスタルジックな空気、光の加減、男女モデルの表情がとても良い。

 

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帽子も大切なファッションの一部。

 

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この他、フォーマルなシーンの装いなどもいろいろと載っている。

 

大きな宣伝広告は目次横のミシン糸の広告の一頁のみで、その他の小さな広告類は表紙や裏表紙の近くの頁にまとめられており、68頁のほとんどが作品の紹介写真だ。

構成がスッキリとして、雑誌としてたいへん見やすくなっている。

 

 

 

さて、なぜ私はこの雑誌を買ったのか。

 

この目立つ表紙に惹かれたとか、ヴィンテージ雑誌の収集が趣味といった訳ではない。

 

きっかけは、下のこの画像。

 

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ネット上でこれを目にし、気に入って保存していた。

ある時、雑誌の頁のようでもあると思い、それならばその雑誌を特定しようと思ったのだ。

 

それが、Vogue Patterns 1975年夏号だった。

ほどなくして、幸運にもその雑誌を入手することができた。

 

 

上の画像が載っているのはこの特集頁。

 

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何とこの6点の作品はシーツの生地で作られているそう!

シーツでこんなドレスを作りましょうという男性デザイナーの提案なのだ。

それはまぁ、忘れることにしよう。(¬_¬)

 

この雑誌を探して買う発端となった右頁の写真は、モデルそれぞれの個性が匂い立つ今も大好きな写真だ。 

 

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モデルのお二人の雰囲気とドレス、ヘアーメイク、ポーズ、背景が調和しているのが心地良い。

お一人は先のデザイナー作品も着ている憂いを帯びた優しい雰囲気のある方で、もう一人はインドの撮影に行ったキリッとした意志を感じるクールな雰囲気の方。

左端の写真のカーテン、画像ではわかりにくいけれど見事な刺繍の美しいカーテン。

 

 

巻末にはすべての衣装の平面画と用尺、そして市販されている型紙番号が載っている。

このように、ラルフローレン、ディオールジバンシー始め、数々の著名ブランド作品も型紙になっていたのだ。

 

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右下のアップは上の写真のドレス。

用尺は.......

ダブルサイズシーツやキングサイズシーツ、更に枕カバーも。(^^;;

 

最後のエディターズノートには、インド旅行のための手引きまであるという至れり尽くせりの雑誌。

 

 

 

ホームソーイングのためのファッション誌自体が少ない42年前、欧米先進国で洋裁をする人口が大きく、この雑誌を定期購読する読者も多かったのだろう。

 

そこから、すっかり様変わりした現在の状況に到るにはいろいろな要因があると思うけれど、いつかまた、このVogue Patterns 1975年夏号のようなファッション界の粋を集めた、素敵な夢を届けてくれるホームソーイングの雑誌が出るような時代が来たら嬉しい。